土地の「一物六価」とは?①

一つの物(モノ)に対して、1つの評価であれば、「一物一価」になりますが、土地の評価においてはそんなに単純ではありません。特に混乱されるのは、一生の内にそう何度もない土地を【売却】する時と【相続】する時です。このコラムでは何回かに分けてこの「一物六価」を説明してゆきたいと思います。

まず土地には6つの評価額が存在します。「実勢価格」「公示価格(地価)」「路線価」「固定資産税評価額」「基準地価」「鑑定評価額」の以上6つの価額です。

一般的に評価額として一番高い評価になるのは【実勢価格】です。簡単に言うと売買価格つまり、取引が成立する価格の事で、単に広告などに掲載されている販売価格ではありません。販売価格はあくまでも売主の希望価額であり、その金額で取引が成立するかどうかは分からない価格です。実勢価格は売り手と買い手の合意によって成立しており、需要と供給の実態を最もリアルに表しているとされ、いわゆる*時価*と考えられており、税法上は特に重要な意味を持ちます。しかし、公表はされておりません。

次に高い評価になるのは【公示価格(地価)】です。これは国土交通省によって毎年3月に公表される価額です。官により1/1時点の評価として公表されるこの価格は、後に別の官の発表する「路線価」「固定資産税評価額」の基礎となります。また不動産鑑定士による「鑑定評価額」にも活用される指標となる価格です。

【実勢価額】と【公示価格】の関係は、公示価格を100とした時、実勢価格は110~120といったイメージです。あくまでイメージです!