土地の「一物六価」とは?②

一つの物(モノ)に対して、1つの評価であれば、「一物一価」になりますが、土地の評価においてはそんなに単純ではありません。特に混乱されるのは、一生の内にそう何度もない土地を【売却】する時と【相続】する時です。このコラムでは何回かに分けてこの「一物六価」を説明してゆきたいと思います。

まず土地には6つの評価額が存在します。「実勢価格」「公示価格(地価)」「路線価」「固定資産税評価額」「基準地価」「鑑定評価額」の以上6つの価額です。前回は/「実勢価額」と「公示価格」について記載しました。

今日はまず、まさに本日7/3に発表されたばかりの「路線価」について、解説してゆきます。「路線価」は毎年国税庁が7/1に公表する相続税や贈与税の税額計算の基準になる価額です。相続や贈与税計算の際、土地を評価する時は、都市部は主にこの「路線価」を使って計算してゆきます。実際の評価時点はその年の1/1で、公表が7/1となっています。路線価の基本的な考え方は、同じ道路(=路線)に面する土地の価額は全て同じとした上で、個別の土地の形状や条件に応じて補正してゆくというものです。一般的に「路線価」は「公示価格(地価)」の80%と言われており、税金の計算上では少し控えめに評価されます。→令和5年最新路線価 https://www.rosenka.nta.go.jp/

次に「固定資産税評価額」は地方自治法に基づいて、市区町村が3年に一度1/1時点で評価しており、固定資産税・都市計画税・登録免許税・不動産取得税等の基準となる価額です。土地の上に立つ建物は、相続や贈与の際にこの「固定資産税評価額」を使って計算しますが、路線価地域にある土地については「固定資産税評価額」は使用しません。一般的に「固定資産税評価額」は「公示価格(地価)」の70%を目安に算出されていると言われています。毎年5月頃になると自治体から送られてくる「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)納税通知書」は3年に1度の評価を反映した上で送付されており、内側のページの「固定資産税の課税明細書」にはそれぞれの固定資産税の評価額が記載されているので、一度じっくり見てみて下さい。