何がどうなる?令和7年年末調整
毎年、難解になり続けている年末調整ですが、令和7年分の年末調整は例年に比べ更に煩雑になることが予想されます。給与計算者はもちろん、パートやアルバイトの従業員も大きく関係する改正があったので、パート・アルバイトの就労調整もあると予想され、早めに従業員に周知させることが混乱を防ぐ予防策となります。
まず大きな改正を3つご紹介します。
①給与所得控除が55万→65万に引き上げ
②基礎控除が48万→58万~95万に引き上げ
③「特定親族特別控除」が創設
上記①と②の改正により、給与所得者の場合、いわゆる「年収の壁」(=所得税がかからない)が103万→160万に変わり、働き控えのラインがグッと上がったことで、パート・アルバイトの就労調整が入ると予想され、またコロナ以降人手不足が深刻な状況の緩和も期待できるかもしれません。また③の「特定親族特別控除」は、19~22歳の大学生のアルバイトする子を持つ親の受けられる控除も広がり「子の年収の壁」も103万から150万に上がり、学生アルバイトの働き控えも減ると予想され、飲食等の人手不足緩和が期待されると共に、親と子双方にとってメリットのある改正です。
しかし壁は年収だけではありません。これまで年収の壁以外にも「住民税の壁」や「社会保険の壁」もありました。年収の壁が160万になったことで忘れられていますが、「社会保険の壁」は従業員が51名以上の企業は従来106万でしたが、年収要件がなくなり週20時間以上企業規模に関係なく加入することになりました。こちらは働く人にとっても企業側にしても実質的な負担増になります。
給与明細を見れば、所得税より圧倒的に社会保険料の方が多く控除されていることに驚くと思います。「年収の壁」160万になったことも大事ですが、今後はジワジワ負担が増え続ける社会保険料こそ大幅に見直しが入り、改正されることを望みます。


