土地の「一物六価」とは?③最終回

これまで「実勢価格」「公示地価」「路線価」「固定資産税評価額」とシリーズで解説してきた「一物六価」ですが、本日は最終回で「基準地価」と「(不動産)鑑定評価額」で締めくくりたいと思います。

第1回の「公示地価」は国が公表するのに対し、「基準地価」とは各都道府県が、毎年7/1時点で更地を評価し、9月に公表する価格で、「公示地価」と一部重複する地点もあります。しかしながら、公示地価では明らかにされない「都市計画区域外の住宅地」、商業地、工業地、さらに「宅地ではない林地」なども公表しており、半年ごとに地価の動きを見る際には役立ちます。

最後に「(不動産)鑑定評価額」ですが、こちらは不動産鑑定士による土地や建物の所有権以外の経済価値を鑑定した評価額で、物件毎に異なる条件(立地の周辺環境、建物の築年数や状態等)を反映できるので、個別性の強い物件に対して使われることが多いです。相続税評価額や固定資産税評価額などの公的評価を採用して評価した場合、あまりにも実態から乖離してしまっているときは、鑑定士への報酬額は高額となることは多いですが、それを上回るメリットがある場合は、鑑定評価をお願いするのも有効な手段の一つです。鑑定士の力量によって評価額が異なる場合も考えられますが、相続税申告に用いる評価をお願いする際は、減価要素を見逃さない実績のある鑑定士に私は依頼するようにしています。

これまでコラムで3回にわたって土地の「一物六価」を紹介してきました。土地には様々な価額があり、その評価額を何をするために使うかによって違ってきます。売却の際は少しでも評価を高く、相続税申告の時は実態に即した評価ができるようサポート出来ればと考えております。